静岡下田「雁島の吊り橋」 高くて、恐くて、味わい深い。田舎吊り橋 田舎吊り橋11本目。静岡下田「雁島の吊り橋」

田舎吊り橋11本目。静岡下田「雁島の吊り橋」島に渡る海の吊り橋。

島に渡るための海の吊り橋

これまで紹介してきた吊り橋は、どれも川に架けられた吊り橋だった。 今回は海の吊り橋を求め、同じく静岡県の伊豆半島に足を運んでみた。 伊豆には大人気且つ超有名な海の吊り橋もあるのだが、まず今回は伊豆半島の南に位置する下田にある小さな吊り橋を紹介しよう。

下田と言えば、ペリー来航で有名な港町である。 吊り橋に行ける遊歩道の入り口付近には、ペリーの胸像があった。
ペリー像のある辺りから、海沿いに歩くと「和歌ノ浦遊歩道」という遊歩道があり、自然の海岸をゆったりと散歩できるようになっている。 下田港は大きな入り江になっていて、押し寄せる波はいたって穏やか。 天気がよければ、ただ散歩するだけで気持ちがいい。

いい気分で散歩していると小島に渡る吊り橋が見えて来る。 地元の人達が「雁島(かねしま)」と呼ぶ小島に渡るためだけの小さな吊り橋だ。

吊り橋は海に架けられているだけあってかなり頑丈、鉄の主塔に太いワイヤーで組まれていて、安心感と安定感は抜群である。 高さも無いのでスリルを求めるなら少々物足りないかもしれないが、足下に見えるのはいつもと違って海面だ。 海面からの距離も近く、さすがは伊豆半島の先端だけあって水はとても綺麗!じっくりと水中を観察してみよう。 魚も釣れるらしく、雁島には沢山の釣り人がいた。

吊り橋を渡りきると、雁島に上陸できる。 島には沢山の新しいお地蔵さんがあって、今も守り神として大切にされているのが解る。 島の上に登って行くと、石室神社という小さな社があり、船乗りを見守っていた。 更に、島の裏側に降りると、下田名物金目鯛の慰霊碑ならぬ、魚霊碑がある。 小さい雁島は、神様や仏様が沢山いる島だった。

近くの旅館に居た地元の方に話を聞くと、この吊り橋は何十年も前からあったらしい。 当時はもっとボロボロで貧弱だったらしいのだが、今は頑丈なものに作り替えられたのだそうだ。 昔の吊り橋も見てみたいような気もしたが、観光地なので子供も渡るだろうし安全にこしたことはない。 下田には、他にも沢山の楽しめるポイントがあるので、旅行がてら訪れてみては如何だろうか。 伊豆には他にも海に架けられた吊り橋があるので、次回も海の吊り橋を紹介しよう。

記事:松端秀明

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雁島にかかる吊り橋。島はとても小さい。

 
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主塔は頑丈な鋼鉄製でシッカリしている。

 
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島まで距離がないので吊り橋は短い。

 
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木製の踏み板は、隙間無く敷き詰められていて安心。

 
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湾の対岸が見える。波はとても穏やか。

 
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足下すぐに海面。磯のゴツゴツした感じが見てとれる。

 
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ワイヤーや留め金は近くで見ると錆びているが、危険は感じない。

 
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島には釣り人が居てのんびりと魚釣りを楽しんでいる。暫く眺めてみたが残念ながら何も釣れている様子はなかった。

 
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新しいお地蔵さんがあって、花も生けられている。大切に手入れされているのが解る。

 
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島の岩を少し登ったところから。いつも見ている川にかかった吊り橋とはひと味違う。

 
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島の脇を少し下ったところから。海面近くまで降りると滑って落ちそうで危ない。

 
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島の裏側にある金目鯛の魚霊碑。

 
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少し離れたところから。向こうに下田港の街並や行き交う船が見える。

 
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