ぶんかびとレポート

福をかっこめ!酉の市

神と仏の酉の市

 11月ともなると、空気もひんやりし始め、師走の足音もすぐそこ。年末と言えば祭り!というわけで、江戸時代より栄える「酉の市」へ。 祭りとしての酉の市は、足立区花畑にある大鷲神社での収穫祭が発端と言われ、現在は関東各地の社寺で行われています。 今回は中でも最も賑わう浅草「鷲神社・長国寺」を訪れました。

 ここ浅草は、鷲神社と長国寺両方の「おとりさま」にご利益をお願いできることから、江戸時代より今に至るまで、大変なにぎわいだそうです。さすが日本!これぞ日本!


まずは鷲神社へ。


朝からなかなかの賑わい。


熊手屋さんがずらり!


次の通りにもずらり!手締めも打たれてますね。


社殿前はすでに人の山。


鷲神社を抜けるとそこは長国寺。


参道にももちろん熊手屋さん。

開運の縁起熊手

 「おとりさま」をお参りしたら、ゆっくり熊手を選びましょう。 熊手は福をかき集める・鷲づかむという意味が込められ、「開運」「商売繁盛」の縁起物ですが、 自分で商売をやっていない人は「交通安全」「家内安全」なんてお札が入ってるものもありますよ。 選ぶポイントは、まず大きさ!予算とお願い事に応じてピッタリなものを探しましょう。年々小さくする人はあまりいないので、来年のことも考えて。 商売の安定を願って毎年同じ大きさのものを買う人や、業績向上を目指して年々大きくする人がほとんどだそう。 中には、ご年配の方で「初心にかえる」との意味を込めて小さいものから再度始める方もいるとか。そんな話を聞けるのも露店の楽しみです。


縁起物てんこもり!

 大きさが決まったらあとは飾り物で選びましょう。 「縁の下の力持ち」の米俵、益々繁盛の「マス」、おめで「タイ(鯛)」、お金を呼ぶ招き猫や金の亀に、大判小判・・・etc。 お買い上げの暁には「実り」の稲穂もつけてくれました。これだけてんこもりでも、ケンカしないで仲良く飾られてるところが、さすが日本の縁起物。

 

季節を愉しむ

 現代は、年末年始に営業するお店も増え、特別に年始の準備をという習慣は少しずつ減ってきたのかもしれません。 いつの間にか1年を終え、気がつけば新年を迎えている、その繰り返しで年を重ねていくのも良いですが、 ほんの少し、季節の行事などに目を向けるのも愉しいものですね。

おまけ「まだまだある縁起物」

 ふたつの「おとりさま」を参拝し、熊手も買って、来年は良い年間違いなし!ですが、こちらもどうぞ。 「頭の芋(八頭)」は里芋の親分。 人の頭に立つように、さらに一つの頭芋からたくさんの小芋が出ることから「子宝に恵まれる」という意味をこめて酉の市で販売されています。 おせち料理の一品にぜひ。


鳥居をくぐり、すぐ右手にて、毎年販売しています。


早い時間に行ったら、大きいのを選んでくれました。1kg超!

文/写真:目黒智子