ぶんかびとレポート

涼を求めて風鈴祭りへ

もともとは占いの道具

 夏の風物詩として涼やかな音を奏でる風鈴。 中国では家の四隅に吊り下げて、その音で邪気を払ったり吉凶を占ったりしていたそうです。 仏教建築とともに日本に伝わってからも魔除けとして用いられていたようですが、いつからかその音色を楽しむものに変わってきたようです。

 とはいえ、なかなか日常の暮らしの中では聞こえてくることも少なくなりました。 聞こえないのなら聞きに行きましょう、ということで風鈴祭りに行ってきました。 今回訪れたのは、東京都足立区にある「西新井大師」。 東武大師線の大師前駅を降りるとすぐです。

参道から

 名物草だんごを横目に山門をくぐると、目の前に本堂。 そしてその横で、やっていました風鈴祭り!

色とりどりの風鈴たち

 

全国からの風鈴が勢揃い!

 さて、風鈴と一言で言っても材質も形も様々。 人々の生活に長く親しまれただけあって、全国各地で様々な風鈴が作られています。

 では北から南へ、旅してみましょう。

岩手・南部風鈴

山形鉄風鈴

優雅!秋田の御殿まり風鈴

江戸風鈴。ガラス製の風鈴は江戸時代から作られたそうです。

小田原鈴虫風鈴。小田原鋳物は北条時代からの伝統工芸。

九谷焼

美濃焼

有田焼

別府竹風鈴。竹細工の中は南部風鈴。

 さて一気に駆け抜けました。ほーんの一部ですが、日本の工芸の素晴らしさを感じます。

 風がない時はチリチリと、風が吹くとリンリンとそれぞれの音色を一斉に奏でます。 高い音、低い音、澄んだ音、鈍い音、色々あるのに涼やかで心地よい和音を作るのはどういうわけでしょう。 本当に不思議ですが、風鈴の音色にはヒーリング効果・リラックス効果があるようです。 暑い夏、イライラ対策にいかがですか?ただこのご時世、ご近所さんへの配慮もお忘れなく。

文/写真:目黒智子