ぶんかびとレポート

出羽三山神社、神社の中の生き物たち

羽黒山・出羽三山神社の三神合祭殿

 山形県の緑深い中を進むとどっしりと佇む祭殿。これが 羽黒山・出羽三山神社の三神合祭殿です。 澄んだ空気、凛とした木々、風格のある建造物。ここにいると時間がとまったように感じます。 ついつい建造物自体を全体で見てしまう事が多いのですが、今回はもう少し細かい部分に目をやってみました。そこには、祭殿を守っている神の使いの生き物たちがそこここに居て、私たちを見ています。 また、その細工のすばらしさにはいつも感動します。

三神合祭殿へつづく石段

伝説の霊鳥

 伝説にある三本足の霊鳥。片羽八尺。 ということは2メートル以上ですね。蜂子皇子を羽黒山へ導いたと言われています。

伝説にある三本足の霊鳥

 

私たちを見下ろす動物たち

 上を見上げると至る所に複雑な動物たちが私たちを見ています。自然に厳かな気持ちになってきます。彼らは私たちの何をみているのでしょうか。自分の行いを振り返ります。 朱色に白の彫刻が映えますね。本当に空を飛んでいる様に見えます。躍動感にあふれています。

建造物の柱に彫られた龍や獅子

非常に芸術的な造り

祭殿の前には、1対の狛犬が祭殿を守っています。迫力があって、繊細で、ついつい足を止めて見入ってしまいます。

拝んでいる私たちを柱の上から見下ろしています。何もかも見透かす様な目。やましいことがあったら、足がすくんでしまうかもしれません。どのような意味を持っているのでしょうか。

古いお社の正面の彫刻。歴史を感じますね。

右と左で守っています。左右のバランスといい、躍動感といい、表情といい、すばらしいですね。美しく、そして力強い。昔の日本人の技に驚きます。何もかも便利になったけれど、こんなにすばらしい技を私たちはちゃんと継承しているのでしょうか。昔のほうが心が豊かだったのではと感じます。

 皆さんも神社にいったら、是非細かいところまで見てみてください。きっと新しい発見が潜んでいるはずです。

 

文/写真:中島ルカ