東京奥多摩「道所橋」 高くて、恐くて、味わい深い。田舎吊り橋 田舎吊り橋4本目。東京奥多摩「道所橋」

田舎吊り橋4本目。東京奥多摩「道所橋」奥多摩の吊り橋4本目。

奥多摩、むかし道の吊り橋第二弾。無骨で肉食系?

Vol.1で紹介した「しだくら橋」と同じく、ハイキングコース「むかし道」にある吊り橋。奥多摩駅から出発すると、しだくら橋より更に奥に架かっている。その姿は無骨で、観光っけのない、ただただ渡るためだけに架けられたという出で立ち。林業の為だけに作られた、実用型吊り橋である。

しかし、そこがこの橋の魅力になる。吊り橋全般に言える事だが橋にはそれぞれの歴史がある。その歴史のなかでいかに活躍したかがその橋のいわばポテンシャルであって、その活躍が大きいほど「カッコイイ」のだ。道所橋は、吊り橋のそういう楽しみ方を教えてくれる。

同じ「むかし道」にある「しだくら橋」とどうしても比較してしまうのだが、こちらは少し短い。そのせいもあり、揺れも少なく感覚的には「安心」である。「しだくら橋」が草食系男子なら、こちらは肉食系ラグビー部部長男子という印象だ。ただ、それはイメージであって「しだくら橋」同様五人以上同時に渡る事は出来ないので、そこはやはり注意して頂きたい。

vol.4まで、東京奥多摩の吊り橋を紹介してきて、みなさんもうお気づきだろう。 そう、奥多摩だけで既に4本である。 しかも確認できているだけでまだあと数本は存在している。 そしてそのひとつひとつがしっかりとした個性をもっており、決して飽きることはないのだ。 (実際、我々は取材とはいえ奥多摩に計5回、足を運んだ。) それこそが吊り橋の魅力なのである。 何気なく架かる吊り橋に注目し、その何気ない中にある歴史を感じて頂きたい。

そして、もちろんたどり着くまでの道中も楽しみのひとつである。奥多摩は都会にもまれた私たちに最高の癒しを与えてくれる。足を運んでみると、そこには野放しの大自然ではない、「我々日本人が作った自然」がしっかり存在するのだ。

記事:飯田澄人

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むかし道を下って来ると、まずこのように橋が見える。

 
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橋の近くにある看板。Vol.1で紹介した「しだくら橋」までは0.95kmとある。そう遠くはない。反対側の「中山橋」は吊り橋ではない。

 
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橋の名前が入った表札。昭和51年3月竣功とある。

 
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踏み板はしっかりしている。中央に細い金属板で補強してあるので更に安心。

 
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橋の中央から下流方面。谷間を蛇行する流れが美しい。

 
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橋の中央から上流方面。川はすぐに左に曲がって見えなくなっている。

 
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橋のすぐ近くには謎の建造物がある。

 
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真下を覗くと結構高さがあり、下は岩なので危険を感じる。

 
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柱は鉄橋の骨組みのようで、素っ気ない。

 
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踏み板の端は不揃いで、雑な造りになっている。そこがまた良い。

 
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向こう岸から見た橋全体。こちら側はジメジメとした林になっていて、橋の一部は土が被っている。

 
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向こう岸の林から。林と一体となった橋は美しいが、こうやって見ると薄っぺらい踏み板に不安な気持ちにさせられる。

 
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戻って、手前からの全体像。向こう岸からの印象とは違って明るく、シッカリとした印象。

 
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