静岡松ヶ瀬「松ヶ瀬橋」 高くて、恐くて、味わい深い。田舎吊り橋 田舎吊り橋14本目。静岡松ヶ瀬「松ヶ瀬橋」

田舎吊り橋14本目。静岡松ヶ瀬「松ヶ瀬橋」THE田舎吊り橋。

伊豆半島の内陸にある、のどかな吊り橋

3回連続で伊豆半島にある海の吊り橋を紹介してきたわけだが、静岡県は吊り橋のメッカ。 内陸にだって吊り橋はある。 伊豆半島の中央を流れる狩野川。 この川には何本か吊り橋が架かっている。 今回は伊豆半島でも人気の温泉地「修善寺温泉」から程近い、伊豆市(旧天城湯ヶ島町)松ヶ瀬地区にある「松ヶ瀬橋」を紹介しよう。

THE田舎吊橋

修善寺温泉から下田街道を南下すると、狩野川がすぐ脇に流れている。 狩野川に沿って少し走ると、田畑の広がるとても雰囲気のある風景が広がってくる。 「あぁ、のどかな田舎の風景だなぁ」と感じながら暫く走ると田畑の奥に少し大きめの吊り橋が見えてくる。 これが今回紹介する松ヶ瀬橋だ。 のどかな風景に溶け込む松ヶ瀬橋は、THE田舎吊橋という感じ。 やはり生活に使われているのどかな吊り橋はとても良い雰囲気を持っていて、訪れる者を癒してくれるのだ。

丈夫ながら木製の吊り橋

吊り橋の主塔はコンクリートでガッチリした印象だが、コンクリートは長年の月日の流れにより濃い灰色に変色し、良い雰囲気を演出している。 しかもそこにはツルが巻き付いて沢山の葉っぱが生い茂り、より一層古びた田舎吊り橋らしい雰囲気を醸し出している。 主塔までの坂はコンクリートだが、踏み板は普通よりも頑丈な木製。 大きめの吊り橋だが「車両通行止」の看板があった。 ただし、農耕作業車は通行できるらしい。 これまで紹介してきた吊り橋の中では最も幅が広く頑丈な造りで、とても安定している。 渡っても不安になるような揺れはなく、自転車なら余裕で渡れそうだ。

沢山の釣り人

この辺りは魚が釣れるらしく、水深の浅い川の中には長い竿を持った釣り人が何人も立っている。 狩野川のサラサラ流れる清流に、沢山の釣り人、広がる田畑に山々、そしてこの木製の吊り橋である。 山奥にある高い吊り橋や、断崖絶壁の吊り橋もスリルがあって良いものだが、のどかな雰囲気の癒し系田舎吊橋もなかなかなものではないか。

記事:松端秀明

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下田街道から少しそれると畑に囲まれた松ヶ瀬橋が見えてくる。

 
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両端の土手がコンクリートで固められた、なかなかしっかりとした橋だ。

 
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橋の手前の道から。畑と山が広がっている。

 
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橋の手前には「農耕作業車以外の車両通行禁止」の看板。2004年の合併で無くなった天城湯ヶ島町が立てたものがそのまま使われている。

 
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手前からの全景。背が高く太いコンクリートで出来た主塔の存在感が凄い。右側の柱は完全に葉っぱに覆われている。

 
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「遊魚をされる方へ」と釣り客への注意書き。川には釣り客が居る。

 
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主塔の下から。迫力満点。街灯が良いアクセントになっている。街頭が灯っている姿も見たかった。

 
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踏み板は分厚くしっかりしていて安定している。両脇にも太い木枠があって頼もしい。

 
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踏み板をよく見ると所々違う色の部分がある。定期的にメンテナンスをしているようだ。

 
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上流方面。太陽の光に反射して輝いた水面に、釣り客がシルエットのように浮かんでいる。

 
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橋の中央付近。柵のワイヤーが低いが橋自体高さはないので、全く恐くない。

 
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低い角度から。木の柵のおかげで安心感が増す。

 
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全く水深は無い。水はとてもきれい。

 
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渡りきった所から。

 
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橋の横には錆びた梯子。釣り客が使っているようだ。

 
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