東京奥多摩「登計橋」 高くて、恐くて、味わい深い。田舎吊り橋 田舎吊り橋3本目。東京奥多摩「登計橋」

田舎吊り橋3本目。東京奥多摩「登計橋」奥多摩の吊り橋4本目。

JR奥多摩駅、駅近吊り橋第2弾。森に囲まれた小さな吊り橋。

前回Vol.2で紹介した「氷川小橋」から続けて愉しめるのが今回紹介する「登計橋」である。 氷川小橋の下の河原に降りたところから既に見えている吊り橋なので、氷川小橋に行くならこちらも絶対に見逃せない。 実はここからの眺めがなかなかなので、水嵩が少ないときには氷川小橋の横の階段を降りて、河原からの眺めを先にチェックしておこう。

氷川小橋を渡ると、山道が左右に分かれている。 これを左に進むと、多摩川沿いに遊歩道が続いている。 山道の雰囲気もなかなかで、足元を見ると沢山のドングリが落ちていたり、枯れ葉の間からユキノシタやマムシ草が顔を覗かせていたりと、手軽に山歩き気分を楽しめる。 こんな森林浴の味わえる所まで駅からたった徒歩5、6分程度。 東京都とはいえさすがは奥多摩、本格的な山の自然に簡単に出会うことができる。 そしてそのまま道なりに歩くとすぐに登計橋に到着した。

到着してみると、登計橋の規模は氷川小橋よりも更に小さく、ごく小型の吊り橋であった。
下に降りれる訳でもないので早速渡ってみる。この規模のものは大抵そうだが、渡るとき結構縦に揺れる。踏み板はみっちりと敷き詰められていて、それ程高さも無いのであまり怖さは感じないが、あまり揺らすと酔ってしまいそうだ。 氷川小橋は開けた場所にあったが、登計橋の周りは木々が生い茂った急勾配の谷になっていて、しっとりとした空気が気持ちよく、橋自体が小規模なので「ひっそり」とした味わいの吊り橋である。

登計橋の下に流れている川は、東京都の水瓶「奥多摩湖」から流れてくる多摩川である。下流側すぐに支流である日原川との合流地点があり(氷川小橋は日原川に架かっている)、その合流地点に阻まれた流れはある程度せき止められ滞り、橋のすぐ下は殆ど流れが止まっている。水が溜まるので水深があり、水はエメラルドグリーンで底は見えない。 橋の途中から上流の方を眺めると、川はエメラルドグリーンのまま蛇行し、上流へと消え入っている。水量が違えば、また違った雰囲気を味わえそうである。

東京近郊の吊り橋初心者はぜひ

都内からでも週末に電車に乗って簡単に来ることができ、氷川小橋とセットで手軽に楽しめる。吊り橋自体、特に危険を感じる箇所も無いので、子供連れやカップルでも気軽に楽しめる。手軽な割には吊り橋の良さを十分味わえる2本なので、東京近郊に住んでいて「吊り橋面白そう」と思ったら、天気の良い休日に出かけてみてはいかがだろうか。
我々が取材を行った初夏も良かったが、夏場、避暑に訪れたり、秋の紅葉を楽しむのも良さそうだ。

記事:松端秀明

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氷川小橋から登計橋に向かう途中。川沿いの森を歩く。

 
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吊り橋の手前から。ごくごく小さめの吊り橋だ。

 
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「とけはし」の名前が鉄の柱に入っている。誰かが「い」と悪戯書きしたものを消した跡がある。

 
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反対の鉄柱には、漢字で「登計橋」の標記がある。

 
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橋の手前から。短いので向こう岸が直ぐそこに見える。

 
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踏み板はしっかりと隙間無く敷き詰められているので安心。特段劣化は見られない。メンテナンスが行き届いている感じがする。

 
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下流方面。日原川との合流地点が見える。とても美しい。

 
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上流方面。川は直ぐ先で蛇行し、その先は見えなくなっている。

 
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足下を見ると、結構水深があるのが判る。

 
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向こう岸の遊歩道を少し登ったところから。木々に覆われていてとても美しい景色だ。

 
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下からのぞいてみた。木々の間からまっすぐな橋がのぞく。

 
高くて恐くて味わい深い。田舎吊り橋
Vol.2 東京奥多摩「氷川小橋」
高くて恐くて味わい深い。田舎吊り橋
Vol.4 東京奥多摩「道所橋」